日本脳神経外科学会学術総会 2022

医療情報

学会に参加して得られた情報を提供いたします。

先月の28日~30日の期間にパシフィコ横浜で開催された学会に参加してきました。

様々なセッションが同時進行で開催されているので、その中の一か所でしか聞けないのですが、コロナ禍でオンディマンド配信もされるようになったことから、後日になってから参加できなかったセッションを聞くこともできて便利になりました。もちろん配信されるセッションだけですが。

これらの中で学んだことのうち頭痛に関連したものを中心に配信したいと思います。

抗CGRP関連抗体薬について

昨年より国内で使用されるようになり、多くの施設での使用されています。治験のデータと同様な効果であるようで片頭痛発作予防としては一定の効果は得られており、予防療法としては有効であるものの一部の方では効果が期待通りではないこともあるために投与薬の変更や中止をしているようです。また、どれくらいの期間で投与を続けていくかもまだ決まってはいないことから一年以上の間、毎月投与している人も多いようです。深刻な副作用は出ていないようですが、3剤とも注射薬なので注射による痛みや腫れというような反応が出ているとのことでした。

ラスミジダンのこと

今年発売となった新しい片頭痛発作時に内服する急性期治療薬です。やはり、フワッとする感じやめまい感の副作用が多いみたいですが、内服を続けていくことで慣れてくるそうで段々と感じなくなってくるということでした。ただし、内服した後は車の運転や機械操作はしないよう注意する必要がありますので、使用されている方はお忘れなく。

脳神経外科医と頭痛診療

頭痛専門医による頭痛診療に関するセッションがありました。脳神経外科医の多くは日々の診療において手術による治療スキルを磨いているものの、脳神経外科外来での診察は重症な頭痛の診断には長けているものの一般的な頭痛に対してはあまり知識がないことが多くて適切な治療ができていないことがあります。特に脳卒中に対しての診断・治療に重点が置かれているので、それ以外の頭痛は”ただの頭痛”とされて、ロキソニンなどの鎮痛薬の処方にて経過観察となったりしています。これでは怖い頭痛ではないことが分かっただけで、適切な治療が行われているわけではありません。そこで、頭痛専門医による特別講演が組まれたようで、診断方法や治療法を詳しく解説されていました。

一般の脳神経外科に受診された人達も適切な治療が受けられることを願いつつ、なかなか症状の改善が得られないようであれば頭痛外来を受診されることをお勧めいたします。

あとは済生会熊本病院の橋本先生からはいろいろと有益なお話がありましたが、この中で紹介された頭痛に打ち勝つ5つの習慣として、①いらいらしない ②ほっとしすぎない ③寝不足・寝過ぎに注意 ④肩こらない生活 ⑤痛み止めは必要な分だけということでした。参考になれば幸いです。

また、少しずつ情報を追加していきます。

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