閉経と頭痛について

片頭痛

閉経後の頭痛について説明いたします。

更年期を迎える女性ではホットフラッシュだけでなく、月経も不定期になったりと体調の変化がいろいろと起こり始めることから大変な時期を過ごしていると思います。その中でも片頭痛持ちの人では一時的に片頭痛発作が悪くなることがありますが、しばらくすると徐々に落ち着いてくる人が多いとされています。統計的なデータとしては、閉経後の女性における片頭痛の頻度は3分の2の人で良くなっているとされていますが、最終的な頻度なので更年期には注意が必要となります。この原因は女性ホルモンの変化に周期的なものが無くなってくることにより閉経とともに片頭痛は減ってくるとされていますが、逆に緊張型頭痛がひどくなってくる方が多いのも特徴です。頭痛に付きまとわれている感じですね。

この片頭痛と緊張型頭痛の切り替わりですが、ある日突然変わってくれるのであれば区別も付きやすいのかもしれませんが、徐々に変わってくるので頭痛の原因がどちらのタイプなのかが分かりにくいとされます。そのために薬を飲んでその効き目を見ることでこっちのタイプの頭痛がしていたんだとなることも多いので頭痛がスッキリしないからといって薬を飲みすぎないように気を付けていただく必要があります。

片頭痛の発作のときの痛みの強さやそれに伴う悪心については年を取るにつれてだんだんと弱まってくる傾向にあります。中には痛みの強さが変わらない人もいるのでその際には通常の頭痛薬による治療を続けるとともに女性ホルモン製剤の補充を受けていることもあります。ただし、ホルモン補充療法による片頭痛自体への効果は一定ではなく、逆に片頭痛を悪化させてしまう人もいるので頭痛以外の症状で悩んでいる場合でないのであれば慎重に検討してください。

女性ホルモン製剤と血栓症

女性ホルモン製剤には血栓症のリスクがあります。これは薬(エストロゲン製剤)を内服することによって腸から吸収されて体内へ取り込まれるのですが、その後一旦肝臓へ行きます。肝臓の細胞に取り込まれたエストロゲンは肝臓を刺激するので、血液の凝固系を活性化(血が固まりやすく)させます。そのために血管の中で血が固まり血栓を作ってしまう血栓症になり、このために静脈血栓塞栓症などの病気になる危険性が高くなるのです。これは薬に含まれるエストロゲンの量が多いほど肝臓への刺激が強くなってくるので、危険性はより高くなり病気になりやすくなってきます。この薬を飲み始めてからの3か月以内に血栓症を起こすことが多いとされていますので、注意してください。なお、内服よりもパッチ薬といった皮膚から薬を吸収させるタイプであれば、肝臓への刺激が強くない分このような血栓症は起こしにくいとされています。

閉経を迎えた後、年を取るにつれて片頭痛の頻度は下がったとしても緊張型頭痛で悩むことも多くなってくるうえ、脳卒中などの他の病気の危険性が高くなってくるのでこれらへの注意が必要となってきます。

更年期障害だけが原因ではありませんがイライラする感じや落ち着かない感じがひどかったり、夜よく眠れなくなり睡眠不足だったりでも頭痛の原因になっていることがあります。ただし、高血圧などの病気が原因で頭痛がしているときには脳卒中などの危険性が高くなっていることがありますので、病院で検査を受けることをお勧めいたします。

更年期障害への対処として

婦人科の先生からアドバイスをいただきました。注意してほしいポイントとして、食事療法や運動などを取り入れるとホットフラッシュなどの症状を軽減できるとのことです。

食事としては大豆製品を多くとったりイソフラボン・サプリメントを取ったりすることを意識した方がいいそうです。また、アルコールやカフェイン摂取は控えめにすることやスパイシーなものを食べるのを減らすこともいいそうです。

ホットフラッシュなどの変化があるため、寝室は涼しめにすることと服は重ね着をして調整しやすいようにするようにしましょう。肥満傾向にある方はこれを改善するのを意識した方が症状が軽くなるそうです。

運動療法としてはヨガをすることで精神的にも整うのと、マインドフルネスを行ったり、鍼灸での治療を受けたりすることも有効なようです。あとは、漢方薬やホルモン補充療法になるようですが、症状がひどいようであれば婦人科の先生の診察を受けるようにしましょう。

いかがでしたでしょうか?
今回はちょっと短い記事になっておりますが、閉経後の変化として参考にしていただきたいと思っております。頭痛のないスッキリとした一日が送れるように願っております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました