頭痛ダイアリーのつけかた
頭が痛いときはいろいろと考えられず、ゆっくりして早く痛みが治まることを願いつつ休んでいるのではないでしょうか。時にはめまい・吐き気にも見舞われてしまい、苦労されていると思います。
ただし、このような頭痛が続くことはあっても毎回同じではないと思います。痛みの程度が違ったり、薬の効きが違ったりと変化があることが多いのですが、これをすべて覚えるのは困難です。さらに、このことを診察室で説明することは記憶もあいまいになってしまい、適切な処方につながらないこともあります。
そこで、ぜひ記録を付けていただきたいと思います。頭痛ダイアリーを付けていただいているのですが、紙に記録してもいいですし、スマホのアプリやカレンダーにメモをしていただいてもいいと思います。これによってどのような頭痛がどの程度あるかやその時間帯、その頭痛の酷さ・強さ、内服薬の効果、影響度などを記録してみてください。さらに余裕があれば関係のありそうな項目として、例えば天気(晴天とか雨とか)や生理時期のこと、仕事のストレス、食事ということも考えてみて記録してみるといいでしょう。
頭痛ダイアリーから読み取ること
診察室ではダイアリーを確認することで頭痛の頻度や酷さ、支障度、薬の効果などを読み取っていきます。なかでも、頭痛のおこる日数が多いと頭痛が慢性化していないか、あるいは薬物乱用頭痛になっていないかが心配です。
ダイアリーの記録が続いていくと頭痛の起こる傾向も見えてきたりします。例えば天気に影響される場合だと梅雨の時期だったり、台風が発生したりで頻度が増えます。これだけではなく、治療を開始することによって飲んでいる治療薬や片頭痛の予防療法の効果がどれくらい表れているのか、時には記録しづらい内容や問題点が見えてきたりとかがあります。また、睡眠不足だったり、仕事が忙しかったりも影響しますし、国内外の出張で長時間の移動や時差が影響したりもします。
頭痛のパターンが見えると治療の方法が定まります。
記録を付けることで頭痛が起きそうな場合がいくつか見えてくることがあります。そのパターンによって薬の種類や飲むタイミング、組み合わせなどの指導につながることが多いです。
頭痛のおこる日数が多くなってくるようであれば、予防療法の強化や種類の変更につながりますし、薬物乱用頭痛の予防にもなります。
目に見えない病気であることから、他の人に分かってもらえない不安もあるかと思います。時には職場で上司や同僚からの疑いの目で見られているのではないかとさらに不安になることもあるでしょう。でも、頭痛で悩んでいる方はあなただけではありません。頭痛の病気としての頻度はとても多いので、同じようにつらい思いをしている方もあなたの周りにいるはずです。このようなつらいことを少しでもなくなるように力になりたいと思っております。頭痛のないスッキリとした日常を取り戻しましょう。
いかがでしたでしょうか?
記録を付けることで気づきがあると思います。今まで思っていた印象と違っていたとか、やれていたと思っていたことができてなかったとか。
慣れるまでは面倒に感じたり、付け忘れたりといろいろしますが日記をつけられるようになると効果は高くて有力な情報源になります。がんばってください。
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