片頭痛の治療 発作の予防療法編

治療方法

・片頭痛に対する治療(発作を抑える治療)を説明します。

頭痛がしているときの薬の治療は飲むタイミングが重要でした。また痛み止めを飲む順番も関係する可能性があり、注意が必要となります。今回は痛みが来ないようにするための治療を紹介いたします。

片頭痛が月にどのくらいあって、どの程度ひどいかにより予防療法を受けていただくかを検討しています。「頭痛の診療ガイドライン2021」での推奨としては片頭痛発作が月に2回以上、または生活に支障をきたす頭痛が月に3日以上ある方に勧められる方針です。

予防療法の第一目標は、これまでの片頭痛の回数が半分痛みも半分になることです。これが達成できてからは飲み薬の量を徐々に減らす方針にしていきます。効果が出てくるまでは少なくとも3か月かかるのが一般的であることから、これまでの間はあきらめずに続けます。

どのように予防療法をするのかというと、まずは内服薬を毎日飲むことでスタートします。代表的な薬は塩酸ロメリジン、バルプロ酸、プロプラノロール、アミトリプチリンです。これらの薬は各々種類が異なり、メリット・デメリットも違うのと、今使っている片頭痛の薬との兼ね合いもあることからかかりつけの先生または頭痛の専門医と相談して決めていきます。

これでも効果が得られなかったり、予防薬の副作用などで続けられない方には昨年より使用が可能となった注射薬があります。CGRP関連抗体薬で3種類あるのですが、いずれも月に1回の投与が目安です。これらの薬による片頭痛発作の予防効果はかなり見込めるのですが、月に1回注射することと薬が高価(3割負担で1回につき¥13,000程度の薬代)であることで少しハードルが高いです。

漢方薬の呉茱萸湯も痛いときに内服すると痛みを抑える効果がありますが、継続して飲むことで発作の予防にもなるとされます。ただし、急性期の治療でも取り上げましたが成分の呉茱萸に独特の味(苦味)があるので、これが大丈夫かどうかで飲み続けられるかどうかが決まります。もちろん、何ともない人は多いのですが。一度は試しに飲んでみていただく必要があります。

いかがでしたか?片頭痛の発作予防の治療について説明いたしました。いろいろな薬があるので、自分に合った方法が見つかるといいですね。

次回は片頭痛の誘因を取り上げていこうと思います。

徐々にですが頭痛に対する理解が深まり、少しでもスッキリとした日常を取り戻せたらいいなと思っています。

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