片頭痛の人に気をつけて欲しいこと 食事編

治療方法

頭痛が起きやすい食事を中心に説明します。

頭痛のない生活を目指すためには食事にも気を付ける必要があります。好物を食べたのに頭が痛くなるようでは楽しい生活を送れないので気を付けた方がいい食事を中心に紹介します。以前、片頭痛の起こりやすい誘因で食事性因子を説明いたしましたが、今回はもう少し具体的な内容を取り上げてみたいと思います。

注意が必要な食事とお酒

ワインとチーズの組み合わせは、グルメなイメージがあるうえ味の相性もいいことから好きな方は多いと思いますが、片頭痛にとってはこれらに含まれる成分に発作を誘発するものがあることから、楽しめない方もいます。これはワインにはポリフェノール、チーズにはチラミンという成分が血管を広げる作用があるためです。

ワインに含まれるポリフェノールは種類・量ともにとても多いとされています。どのポリフェノールが片頭痛の引き金になっているのかははっきりしませんが、頭痛の原因と考えられるようであれば飲むことは控えるのが安全です。ちなみにワインに含まれるポリフェノールの効能は多岐にわたっておりますが、推奨されている摂取量としては男性でグラス2杯、女性でグラス1杯とのことです。過ぎたるは猶及ばざるが如しですね。あと、ワインによっては保存料などの添加物が含まれていることがあります。ワインの種類によって頭痛が起きたり起きなかったりするようであれば、このような添加物が原因になっているかもしれません。

ワインに限らずお酒にはアルコールが含まれているので、口にする機会はたくさんあると思います。「酒は百薬の長」といわれお酒を飲むことでストレス緩和やコレステロール低下、さらには身体の血行を良くして活性化する作用があります。これはあくまでも適量摂取での話ですが、飲む量を適度に保っていても血行が良くなることが脳の血管を広げてしまい頭痛の原因にもなります。特に片頭痛を持っている人の場合は発作の引き金になりますので適量摂取を心がけてください。

そこで対策としては、ワイン(アルコール+ポリフェノール)の後にはカフェインを摂ることで広がった血管を改めて引き締める効果が期待できるので、悪くさせないためにもカフェインの摂取がお勧めです。コース料理の締めで「コーヒーまたは紅茶はいかがですか?」と提供されるのも昔からこの対策が分かっていたからなのかもしれませんね。

チーズに含まれるチラミンには血圧を上げる作用があります。この物質自体が交感神経を刺激することで血管が収縮することにより血圧が上がるのですが、その後で時間が経つとこの作用が消えてしまい、反動による血管拡張が頭痛の原因となっているようです。チラミンはチーズのほかにココアなどのカカオ製品、赤ワイン、ニシン、たらこ、サラミ、ソーセージ、発酵食品に含まれています。

また、うま味調味料として知られるグルタミン酸ナトリウムは食品添加物として多くの加工食品に使用されています。アメリカなど海外でも話題になっており、このグルタミン酸ナトリウムをたくさん摂取するとで頭痛が生じます。
昔の話ですがは中華料理に多く含まれていて、食事の後に頭痛や顔面の紅潮、疲労感などが生じてこれらが起こることを中華料理店症候群(Chinese Restaurant Syndrome)といいます。昔の酢昆布のも多く使用されていたことから、今はグルタミン酸ナトリウムの量を制限するようになったそうです。
最近ではあまりないと思いますが、以前はうま味調味料が多く使用され、これを口にすることで頭痛が始まるといわれました。今は中華料理に限らず多くの料理や加工食品、インスタント食品、スナック菓子などの多岐にわたりうま味調味料が使用されていることから成分表示を確認して食べることをお勧めいたします。便利な世の中になったのですが、いろいろと注意が必要なので大変です。

おすすめの食事

では、頭痛を起こさないようにするためのお勧めの食事はなんであるのか?今のところ発表されているのがタウリン、マグネシウム、ビタミンB2、オメガ3系脂肪酸の4つになると思います。

タウリンは肉類、乳製品、魚介類に多く含まれ、特に牡蠣・しじみ・あさり・ホタテなどの貝類や、たこ・いかなど軟体動物に多く含まれていて、野菜やフルーツにはほとんど含まれていないアミノ酸の一種です。血圧のコントロールや肝臓の機能を改善、新陳代謝を良くして筋肉の疲労を回復します。頭痛に対しては神経を安定化させることから発作を抑えるとされています。

マグネシウムは脳の血管を安定化させたり、神経の興奮を抑えたりする働きがある微量元素でごま、大豆、わかめ、ひじき、牡蠣、玄米などに多く含まれています。さらには筋肉の緊張を和らげる作用や精神を安定化される効果があるほか、丈夫な骨を作る効果もあります。

ビタミンB2はリボフラビンという水溶性のビタミンで卵、うなぎ、納豆、牛乳、レバーなど多くの食品に含まれています。熱に強いのですが、光に弱い(光で分解されてしまう)性質があります。脂質の代謝を助けて皮膚などの細胞の再生に関わっています。頭痛に対しては脳の神経の異常な興奮を抑えることで発作を抑えるとされています。

オメガ3系脂肪酸:まぐろ、サーモン、さば、アボカドに含まれるオメガ3系脂肪酸(エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA))は片頭痛の頻度を減らして、頭痛の時間も短くなり、痛みの強さを抑える可能性があるとされます。

いかがでしたでしょうか?
ちょっと神経を使って食品を注意してみないといけませんが、普段の食事を楽しむためにも参考にしていただきたいと思います。頭痛に悩む日が一日でも減るように願っております。

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